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島根大学構内における埋蔵文化財の取扱いに係る判断基準

1 目的
 本基準は、文化財保護法(昭和25年法律第214号)の趣旨を尊重し、島根大学敷地内の開発事業に伴う埋蔵文化財の取扱いに係る基本的な判断基準を定め、埋蔵文化財を適切に保護し、将来への保存を図ることを目的とする。

2 適用対象
 本基準は、島根大学が所有する全ての敷地内における開発に伴う埋蔵文化財取扱いに適用する。

3 定義
 (1)「試掘調査」とは、埋蔵文化財の有無が地表面の観察等からでは判断できない場合に、部分的に発掘する調査をいう。
 (2)「確認調査」とは、埋蔵文化財包蔵地の範囲・性格・内容等の概要までを把握するため、部分的に発掘する調査をいう。
 (3)「発掘調査」とは、開発事業等に際し、影響を受ける埋蔵文化財を事前に発掘し、詳細な記録を作成する措置を執ることをいう。
 (4)「工事立会」とは、工事の施工に際し、専門職員等が立ち合い、遺構・遺物包含層等が確認される等のことがあった場合には、必要に応じて適切な措置を執ることをいう。
 (5)「慎重工事」とは、埋蔵文化財包蔵地において工事を行うものであることを十分認識したうえで慎重に施工することをいう。

4 埋蔵文化財として取扱う時代範囲

 (1) 近世までに属する遺跡は、原則として全て埋蔵文化財として取扱うこととする。
 (2) 近現代の遺跡については、島根県や各市町村ならびに島根大学の歴史解明のために重要なものを埋蔵文化財として取り扱うこととし,その決定は、島根大学ミュージアム埋蔵文化財専門委員会において行なうこととする。

5 「発掘調査」を要する範囲の決定
 埋蔵文化財の「発掘調査」を要する範囲は、それまでに行われた諸調査の成果に加え、必要に応じて「試掘調査」・「確認調査」等を実施したうえで、島根大学ミュージアム埋蔵文化財専門委員会において決定する。

6 埋蔵文化財取扱いの判断基準
 開発事業に際しての埋蔵文化財の取扱いについては、次の原則と別表に基づいて、「発掘調査」その他の措置を講ずるものとし、その決定は、島根大学ミュージアム埋蔵文化財専門委員会において行なうこととする。
 (1) 次の場合においては、「発掘調査」を実施するものとする。
  ア 工事により埋蔵文化財が掘削され、破壊される場合。
  イ 掘削が埋蔵文化財に影響を及ぼさない場合であっても、工事によって地下の埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれのある場合。
  ウ 一時的な工作物の設置や盛土・埋立の場合であっても、その重さによって地下の埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれのある場合。
  エ 恒久的な工作物の設置や盛土・埋立により、埋蔵文化財と人との関係が絶たれ、当該埋蔵文化財が損壊したのに等しい状態となる場合。
 (2) 次の場合においては、「工事立会」を行うものとする。
  ア 一時的な工作物の設置や盛土・埋立で、現地で状況を確認する必要がある場合。
  イ 恒久的な工作物の設置や盛土・埋立の場合であっても、将来的に発掘調査が可能な条件が満たされると判断される場合。
 (3) 既に行われた土木工事等により埋蔵文化財が損壊を受けた範囲内の工事で、埋蔵文化財に新たな影響が生じないと判断される場合等は、「慎重工事」の措置を講ずる。なお、施工中に遺構・遺物を発見した場合は、速やかにミュージアムに連絡をとり、所定の手続きをとる。

7 島根県教育委員会・関係市町村教育委員会との連携について
 埋蔵文化財の取扱いに関しては、島根県教育委員会をはじめ関係市町村教育委員会と充分な連携をはかり、慎重に判断するものとする。

8 開発計画から埋蔵文化財取扱いまでの流れ
 開発計画から埋蔵文化財取扱いまでの流れは、別図に基づいて適切に進めるものとする。

附則
 本基準は、平成18年4月1日から適用する。


 別表

工事内容・種類

取扱い

・工事により埋蔵文化財が掘削され、破壊される場合。
掘削が埋蔵文化財に直接及ばない場合であっても、工事によって地下の埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれがある場合。
・通常20年以上の耐久度を有しない一時的な工作物の設置や盛土・埋立の場合であっても、その重さによって地下の埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれのある場合。

開発事業等に際し、事前に「発掘調査」を実施し、詳細な記録を作成する。

調

・通常20年以上の耐久度を有した恒久的な工作物の設置や盛土・埋立により、埋蔵文化財と人との関係が絶たれ、当該埋蔵文化財が損壊したのに等しい状態になる場合。

 

道路

厚さ2m以上の恒久的な盛土・埋立

校舎・共同溝等の建築物・埋納物

・一時的な工作物の設置や盛土・埋立で、現地で状況を確認する必要がある場合。

工事の施工中に調査員が立ち会い、遺構・遺物包含層等が確認される等のことがあった場合には、その記録をとり、工事を変更する等、適切な措置を講ずる。
ただし、次の場合においては、発掘調査を実施するものとする。
・将来において発掘調査が可能な条件が満たされない場合。
・遺構面あるいは遺物包含層上面から厚さ30cm程度の保護層が確保できない場合。
・掘削等により埋蔵文化財に影響が及ぶ部分とそうでない部分、あるいは埋蔵文化財に影響が及ぶ部分と盛土・埋立の部分が著しく交錯する場合。
・現地表面に立体的に遺存する埋蔵文化財が、盛土等の施工に伴う地形の変化により、外観上所在が把握できなくなる場合

恒久的な工作物の設置や盛土・埋立の場合であっても、将来的に発掘調査が可能な条件が満たされると判断される場合。

 

道路

歩道

植樹帯・緑地帯

野球場・競技場

駐車場

公園・緑地

厚さ2m未満の恒久的な盛土・埋立

・既に行われた土木工事等により埋蔵文化財が損壊を受けた範囲内の工事で、埋蔵文化財に新たな影響が生じないと判断される場合。

埋蔵文化財包蔵地において工事を行うものであることを十分認識したうえで、慎重に施工し、遺構・遺物を発見した場合は、速やかにミュージアムに連絡をとる。