補足トリビア
旧制松江高等学校寮歌「青春の歌」

作詞 佐野阜兎思
作曲 岩佐万次郎

一
目もはろばろと桃色の
春のくも行く大空を
仰ぎて立てる若人に
三春清き花のかげ

二
ああ この若く円(まど)かなる
丘にむすべる夢と夢
永遠(とわ)の命にとけてゆく
行方は知らず霞むかな

三
ふるさと遠く日は落ちて
四方(よも)の山脈(やまなみ)むらさきに
夕月登るみづうみの
舟に遊子の思いあり

四
夏まだ浅き簸(ひ)の上(かみ)の
狭霧(さぎり)はるれば立ちませる
御子の剣の光 今
我等の胸に宿るなり

五
鹿なく夕月山(がっさん)の
いただき草は長うして
かの英雄の夢の跡
弦月あわくてらすかな
六
それ鴻(おおどり)は つばさ張り
豁然(かつぜん) はれし日本海
渺茫紫紺(びょうぼうしこん)波の上
青雲分けて旅ゆかむ

七
千里こぼれるシベリアの
黎明赤き空のいろ
秘めし古城にたたずめば
蒙古の秋の陽は暑し

八
ガンジス河に咲く花の
もゆる緋になく丘の子に
濁流ひろき大河ゆく
支那七月のつばくらめ

九
ああ青春ぞ いのちなる
血潮高鳴る男子らの
若く雄々しきまなざしは
焰(ほのお)と燃えて果てしらず

十
さわれ恵みの丘の上の
夢安らけき思出の
花咲く園にかがやける
大日輪のおごりかな

「青春の歌碑」
昭和36年5月5日除幕
旧制松江高校同窓会
近藤英明同窓会長揮毫

松江市忌部町黒御影石製


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