補足トリビア
旧制松江高等学校寮歌「青春の歌

作詞 佐野阜兎思
作曲 岩佐万次郎


目もはろばろと桃色の
春のくも行く大空を
仰ぎて立てる若人に
三春清き花のかげ


ああ この若く円(まど)かなる
丘にむすべる夢と夢
永遠(とわ)の命にとけてゆく
行方は知らず霞むかな


ふるさと遠く日は落ちて
四方(よも)の山脈(やまなみ)むらさきに
夕月登るみづうみの
舟に遊子の思いあり


夏まだ浅き簸(ひ)の上(かみ)の
狭霧(さぎり)はるれば立ちませる
御子の剣の光 今
我等の胸に宿るなり


鹿なく夕月山(がっさん)の
いただき草は長うして
かの英雄の夢の跡
弦月あわくてらすかな

それ鴻(おおどり)は つばさ張り
豁然(かつぜん) はれし日本海
渺茫紫紺(びょうぼうしこん)波の上
青雲分けて旅ゆかむ


千里こぼれるシベリアの
黎明赤き空のいろ
秘めし古城にたたずめば
蒙古の秋の陽は暑し


ガンジス河に咲く花の
もゆる緋になく丘の子に
濁流ひろき大河ゆく
支那七月のつばくらめ


ああ青春ぞ いのちなる
血潮高鳴る男子らの
若く雄々しきまなざしは
焰(ほのお)と燃えて果てしらず


さわれ恵みの丘の上の
夢安らけき思出の
花咲く園にかがやける
大日輪のおごりかな

「青春の歌碑」
昭和36年5月5日除幕
旧制松江高校同窓会
近藤英明同窓会長揮毫

松江市忌部町黒御影石製


「青春の歌」を聴いてみる(島大HP)
旧制松江高等学校

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