|
|||
HOME>遺跡のなかの島大キャンパス>発掘調査から報告書の刊行まで | |||
|
|||
1.発掘計画 島根大学のキャンパス内は、全域が遺跡に指定されています。新しい校舎が建てられる際には、「文化財保護法」に従って、事前に発掘調査を行い、長い間、残されてきた遺跡・遺物の保護にあたります。 まず、本学施設課やミュージアム埋蔵文化財専門委員会などで協議して、発掘計画をたてます。松江市教育委員会、出雲市教育委員会、島根県教育委員会にも届けを提出します。 |
|||
2.発掘調査 発掘調査は、たくさんの作業員さんが、土の色を確かめながら、ていねいに、少しづつ、掘り下げていきます。 出土した土器・石器・木製品などは、記録・写真をとって取り上げていきます。 夏の暑さ、冬の寒さのなかの作業は大変。発掘の仕事は"3K"といわれています。 |
|||
3.出土遺物の洗浄・マーキング 出土した遺物は、ていねいに洗って、よごれをおとし、乾かします。乾くと、1点1点の遺物に、出土した地点・年月日などの情報を書きこんでいきます。 |
|||
4.遺物の実測 土器や石器の実測図をとっていきます。1点づつ、こまかい形や文様を観察しながら、手作業で測っていく、根気のいる作業です。 |
|||
5.実測図のトレース 鉛筆書きの実測図のうえにトレーシングペーパーをかけ、きれいにトレースします。印刷のための清書のようなものです。 |
|||
6.遺物の写真撮影 土器や石器の写真をとります。ライティングに気を使います。 |
|||
7.出土した木材の鑑定 出土した木材は、1点1点、うすく切り取り、プレパラートにします。時間と根気と手先の器用さのいる仕事です。できたプレパラートは、薬でかためたあと、木の種類を鑑定します。これまでに、1000点以上の木を鑑定し、8000年間に、どんな木が生えていたを知る貴重な情報になりました。 |
|||
8.『調査研究報告』の作成 作成した図面や写真、発掘してわかった研究成果をまとめ、1冊の本として刊行、公開します。 構内遺跡の成果は、『島根大学埋蔵文化財調査研究報告』として刊行しています。 |
|||
9.遺物を整理して収蔵庫に保管 出土した遺物は、いつでもみれるように整理して、収蔵庫で保管します。 |
|||
10.遺物を保存処理・復元し、展示公開 木製品などは、展示できるように、保存処理をします。土器の破片は、接合して、もとの形に復元します。 これらは、総合博物館アシカル本館展示室で公開しています。 出土遺物は、学芸員養成課程の授業などでも、教材として活用されています。 |
|